延べ竿で鯉!!実釣編

延べ鯉ロゴその1“エサ落ち目盛りの設定と底取り”

鯉は主に、水底付近のエサを吸い込んで食べています。

延べ竿に限らず、ウキ釣りの場合は、エサを底に確実に着けて釣ることが基本です。
そのためには、自分が釣ろうとしているポイントの水深に、ウキ下を合わせてやる必要があります。

釣りを始める前に、このウキ下を水深に合わせる作業である底取りをすることは、延べ竿での鯉釣りの基本となります。

ヘラウキの場合

ヘラウキを使う場合、まずエサが完全に無くなったことを示す、エサ落ち目盛りを設定します。

エサ落ち目盛りの決め方ですが、ウキのトップを3分の1くらい沈めた時の、一番水面に近い目盛りに設定するとバランスが良いです。
例えば、トップに目盛りが6つある場合は、下から2番目の目盛りまでが水中に沈むように浮力調整し、
あとの4つの目盛りが水面から出るようにします。つまり、この場合は上から4つ目の目盛りがエサ落ち目盛りというわけです。

例えば↓

エサ落ち目盛り
@:浮力を調整し、エサ落ち目盛りは上から4つ目の緑の目盛りに設定。
A:エサをつけて投入。この時仕掛けは、エサに引っ張られてやや沖に傾いてなじむ。エサの重みで目盛りはオレンジまで沈んだ。
B:エサが溶け、だんだんとウキも浮き上がってきて、沈んでいた目盛りも見え始める。
C:完全にエサが無くなり、最初に設定した緑の目盛り(=エサ落ち目盛り)が再び水上に現れた。




エサ落ち目盛りを決めたら、今度はウキ下と水深を合わせるための作業(底取り)に入ります。
今から自分が釣ろうとしているポイント(仕掛けを沖いっぱいまで振り込んだ状態)の水深を測って下さい。
この時、ついつい身を乗り出してしまいがちですが、それだと実際より沖の水深を測ってしまうので、
ゆったりと自然に、道糸も張りすぎないように注意してください。

とにかく、水深=ウキ下(オモリベタの場合、ウキからオモリまでの距離)にする必要があります。





タナ取りゴム

底取りの手順1

2本の鈎に、
画像のようなタナ取りゴムを付けます(ナス型オモリ可)。
これを付けた状態で仕掛けを投入すると、
もしウキ下がまだ水深より浅い場合にはウキが水没し、
ウキ下がすでに水深より深かった場合は、ウキは立ちません。

目盛り

底取りの手順2

トップの一番上の目盛りだけが出るように、ウキ下を調節して下さい。
なぜ最上部の目盛りなのかと言うと、ウキを最大限に利用したいからです。
この調節が正しくできたかどうかは、竿を沖に突き出せば分かります。
もしそれでウキが浮いてきたのなら、仕掛けが傾いてしまっていたことになります。
仕掛けの傾きを排除するためには、
穂先〜ウキまでの道糸をピンと張り過ぎないように注意!(イラスト)。
仕掛けの傾きに関する詳しいことは、下にあるOne Pointを参照して下さい。

底取り手順3

底取りの手順3

手順2が終われば、エサ落ち目盛りと最上部の目盛りまでの距離分、
さらにウキ下を深くして下さい。
このウキ下で、同じ場所にエサをつけて振り込めば、
上鈎がギリギリ底に接する“上鈎トントン”のタナが
取れることになります。





釣っていて、狙いたいポイントを変えたい場合は、またそこの水深に合わせるために、底取りをしなおす必要があります。

しかし“底取りの手順2”で触れたように、底取りを数センチの誤差なく完璧にしたい場合は、
加えて細かな注意を払うべきことがあります。
以下のOne Pointに記しますが、おおざっぱな底取りで充分な方は読み飛ばしていただいてもも差し支えありません。





ワンポイント

‖仕掛けがなじむ角度 〜正しく水深が測れているか?〜‖

延べ竿で仕掛けを投入する時、どのように着水させていますか?
投入の仕方ひとつでも、底取りの精度が変わります。

多くの方が振り子の要領で、
鈎はウキより沖に着水させていることと思います。
これを、鈎にタナ取りボールをつけた状態で行うとどうなるのか―。

この時、仕掛けはタナ取りボールの重みで引っ張られ、
ウキより下の部分はさらに沖の水底でなじみます(仕掛けが傾いている)。
この状態のまま、“底取りの手順2”を完了するのは△です。
一応、鈎が底についてはいますが“上鈎トントン”にはできません。

その証拠に、“底取りの手順2”において、
トップの一番上の目盛りが現れるようにウキ下が調整できたら、
腕を伸ばして竿を沖に突き出してみてください。下の画像のようになるはずです。
『一番上の目盛りが出るように調整できた』ように見えていただけなのです。

ウキが浮き上がってくる

@ではウキ以下が沖に向かって伸びるように傾いてなじんでしまっている。
ここで竿を突き出すと、穂先とウキの間の道糸に余裕が生まれたことにより、
ウキが自然に浮いていることができる沖の点へ移動する。
この時、ウキ以下の道糸にも余裕が生じてウキが少し浮上してしまう(A)。

これに気づかず“底取りの手順3”を完了してしまうと、
エサをつけてもウキがエサ落ち目盛りの位置まで沈まない、
つまり、エサ落ち目盛りが機能しなくなってしまう場合があります。

これを防ぐには、
下図のように鈎とウキを着水させる必要があります。

沖からウキ⇒鈎の順に着水

鈎とウキの間のラインが岸と平行になるように投入します。
つまり着水時の鈎の真下の水深とウキの真下の水深を同じにしています。

ここでとりわけ注意しなくてはならないのが、
最終的に、ウキが穂先のまっすく沖合いでなじむ(の位置)ように
仕掛けを投入するのですが、なじんだ後で、
穂先とウキの間の道糸に弛みができないようにすることです。

なので実際には少しだけウキの方を鈎より沖に着水させる必要があります。
コツは・・・・・・・、習うより慣れろです(すみません)。

また、底取りで“仕掛けが沖に傾く”というのは、
鈎についているものが重いほど、その程度が激しくなります。
実はエサをつけて実際に釣る時というのは、普通に投入しても、
そこまで極端に仕掛けの傾きは起きません(上鈎トントンの場合)。
だからこそ、エサより重いものを使って行う底取りにおいては、
確実に傾きを排除して行わないと、エサをつけた時にズレが生じるのです。


前章:「タックル&エサ」
次章:実釣編 その2“寄せからヒットまで”

延べ竿鯉釣り日記に戻る

inserted by FC2 system