延べ竿で鯉!!実釣編

延べ鯉ロゴその4“延べ竿でのやりとり”

アワセが決まり鯉が掛かれば、直後に独特の重量感が襲い、猛スピードで走り始めます。
この走りをいかに止め、岸に誘導するかが、延べ竿での鯉とのやりとりの一番の鍵です。
特に、足場が低く、かつ、水深が浅いポイントでは、この最初の疾走により一瞬でバラすケースがよくあります。

無理に引っ張るのではなく、できる限り鯉の走る方向に自分も移動し、仕掛けと竿に掛かるテンションをいつも一定にすること。
そうすることで糸切れ(ハリス切れ)を防ぎます。

沖に走った時には、竿尻を鯉のほうへ向けるイメージで耐えて下さい。角度が緩いと竿がのされてしまいます。
難しいですが、3号程度以上のハリスであれば、“アベレージ〜やや大”サイズの鯉ならこの方法で止められます。
延べ竿においては、鯉に沖へ走られることほど怖いことはありません。
この時のために、タックルはやや持て余すくらいの強度にしておいて構わないのです。

とにかく鯉のパワー、スピードに耐えうるタックルを使用し、走りを止めなければいけません。

こちらが反撃するのは、鯉の走りが弱くなりだんだんと浮いてきた時です。
竿を立てて、慎重に岸に誘導します。
岸に寄せても、また走り出すことも多いので油断禁物。
こういった時も、落ち着いて、焦らず、また弱るのを待って持ち耐えてください。

釣り上げた!

そして最後にもう完全に抵抗しなくなった鯉の鼻先に、タモを下ろして取り込んでやればこちらの勝利です!!

ワンポイント

‖掛かった鯉をあまり早く浮かせると危険!?ヘラ竿のススメ‖

硬い鯉竿に太糸で釣っていると、
鯉とのやりとりがどうしても強引になってしまいますが、
それもひとつの魅力であり強固なタックルの利点です。

しかし、まだ鯉が元気な内に水面に浮かせてしまうと、
おそろしいスピードで沖に走られ、竿をのされてバラしてしまうことも。
いくら強いタックルであっても、この一瞬に釣り人が体勢を保てなければ、
あっという間に逃げられてしまうというわけです。
運よく走られなかったとしても、反転されて潜られたりの繰り返しになり、
無駄に体力を消費することになりかねません。

そこで、鯉が掛かったらすぐには浮かせずに、
しばらく中層で遊ばせる必要があるのですが、
こちらが意識しなくても自然とそういうやりとりができる竿があります。

ヘラ竿です。
ここまでのHow toでは、一貫して鯉竿+太糸を推奨してきましたが、
望外の大物は別にして、40cm〜60cm級の普通の鯉を対象にするのならば、
はじめからヘラ竿+細糸の選択もアリです。
弱い仕掛けに弱い竿を組み合わせることにより、切られそうで切られない、
脅威のタックルバランスを生み出すことが出来ます。

そしてやりとりに関しても、ヘラ竿は鯉竿に比べて細くやわらかく、
鯉を浮かせようと思って浮かせることはなかなか思うようにできませんが、
逆にそのおかげで、水中で鯉を疲れさせてから浮かせるというやりとりが、
ひとりでに展開されるので、水面で走られるのをある程度抑えられます。

鯉

さて、実際に延べ竿で鯉を釣られた方はどうでしたでしょうか?
画像の鯉は52cmですが、これくらいのサイズの鯉でも、極限の引きを味わえたハズです。

ここで紹介した釣り方で、数、サイズともに大きな記録を出すことは難しいです。
リール竿を使った釣りもある中、あえてハンデのある手法を選んでいます。
しかし、その理由をいまさらここでもう一度言う必要はなさそうですね。

最後に。
この釣りは慣れるほどに奥深く、飽きることはありません。
バラシも多くなる釣りです。しかし、10匹のバラシがきっと1匹の喜びに変わります。
ぜひ、通い慣れたポイントで、限られたタックルを駆使し、一発大物を仕留めてみてください。
それが延べ竿での鯉釣りの一番の醍醐味だと思います。


前章:実釣編 その3“アタリとアワセ”

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